30歳がくる!

息詰まったら書く

図書館での出会いなんてロクなもんじゃない説

引越しを機に、それまで全く利用していなかった図書館に通うようになった。
週末は大好きなコーヒースタンドで日替わりの豆を選んで飲み、それから図書館に向かう、というのがルーティーンになっている。

平均して5〜6冊を借り、その日に一気に読んでしまうこともあれば、借りたはいいものの興味を失い読まずに返すこともある。

ともあれ、週に一度は図書館に通うようになるとあることに気づく。図書館利用してる人は経済的に頼りない(ものすごく濁した言い方)人が多い。
行き場のない老人(偏見)の溜まり場になっていたり、ファミレスのドリンクバー代も払えない中学生(偏見)が受験勉強してたり、子供に絵本を与えて「食べてはいけない!」を読んでいる頭の悪そうな主婦(偏見)、残りは素性がよくわからない人達しかいない。

市民の縮図といえばそうなんだけど、おしゃれ腐った街にある図書館なのにおしゃれ腐った人達は居ない。上下パーカーでぶつぶつ呟いてる色黒のお兄ちゃんなら居る。
図書館といえば黒髪眼鏡男子じゃないの?なんで色黒、老眼鏡、男子(青少年的な意味で)しかいないの?

図書館で同じ本を手に取ろうとして「あっ」とか、いつも同じ本を借りてる人が実は憧れの○○君!?みたいなことって、学校の図書館でもないとありえないのかな。

図書館に通う「よくわからない人達」の中に、たまにイケメンが混ざっていることがあるけど、持ち物をよく観察すると大抵学生。そもそもイケてる社会人は図書館なんて利用しない説が浮上。

本が売れないのは図書館のせいという意見に対し、「図書館に居る人はそもそも本を買わない」と某有識者から反論があった。図書館に居るような人は本にお金を払う習慣がないって言い方、すごく濁してるけど「図書館は貧乏人が利用している」ということですよね?

図書館ヘビーユーザーとしてこの有識者の意見にはある程度賛成だけど、図書館にも行くけどめっちゃ本を買うやつも居るよと言いたい。

ただ「図書館にも行くけどめっちゃ本を買う人」かつ「イケメン」は居ない!!

A=図書館を利用する人
B=イケメン
C=社会的地位が高い

A⊃B
A⊃C

B∩C=0


∴図書館にろくな出会いはない。



本が好きなイケメンを探したかったら大人しく神保町で働いてるサラリーマンに声をかけたほうが効率いいと思います。


現場からは以上です。

星野源

星野源
星野源桃源郷であり、もはや概念。

Aスタジオに出ている星野源を見ていて、「う、動いてる!ひ〜!」となってしまった。

この間のオールスター感謝祭ぐらいから星野源が好きすぎてどうしようもなくなってしまい、静止画の星野源しか受け付けなくなっている。

げんたん。星野源のことはそう呼んでいる。PCのデスクトップもげんたん、iPhoneのロック画面もげんたん。
でも動いている姿はまさに星野源という生き物で、34歳なりの肌をしてて髭も伸びるしつむじも存在する。愛おしすぎ。もうこっちは現在進行形の星野源まで追いかけてく体力ないよ…。

舞台やってる俳優独特のギャグ線(like a 大泉洋)がたまに鼻に付く感じも含めて愛おしい。
無駄に長いツッコミとか。上手いこと言おうとする感じとか。お前それクラスでやると会話のリズム崩してウザがられるやつだぞーって。はぁ。

げんたんが病で倒れた時に「誰に頼るのも重いかなと思って一切の連絡を絶った」という話をしていて、この人のこと本当に大好きだと思った。
おこがましすぎるけど、やっぱり私と同じ何かを持っているんだと思わせてくる。天と地ほどの差があるのに、げんたんはやっぱりこっち側ダァ〜と思わせてくる。
でも絶対星野源には抱いてもらえない。なんなんだ星野源

8/31ラブサマワンマン

ハタチのラブサマはじめての飲み会
@7thfloor

「なんか…フランク、普通ですね」と、隣に座っていた男性がラブサマちゃんを見て言った。彼は初めてラブサマちゃんのライブに来たらしい。席をまわってファンと話す彼女は本当にその辺にいる、普通の女の子だ。

でも歌うと突然ラブリーサマーちゃんになる。
彼女が店内BGMを口ずさんだのをマイクが拾った瞬間があった。ほんの一節だけだった。私はすぐにそれを録ってサウンドクラウドにアップしてほしいと思う。
彼女が歌うだけで、どんな曲も生まれ変わる。本当にそう思う。


飲み会形式のライブは、実母がフードをふるまうというシュールさ。運営も当初の予定通りに進まず、仕切りが正直悪い。
でも誰も文句は言わない。

ほとんどの客は彼女がこのワンマンのためにどれだけ準備したか知っている。ラブリーマザーさんがどんな気持ちでそれを見守っているか、背中から感じる。
チケットがハケても、とても採算が取れないだろうなというのもわかった。

ステージで歌う彼女のことをみんなが見守っていた。
チューニングが合っていないギター、
まとまりのないトークも、
20歳のラブサマの現実だ。

そもそも完璧な彼女を誰も求めていない。それを感じた。

ラブサマちゃんがやりたいことをやるだけのライブでもみんな幸せだ。
今日の主役は彼女でしかありえない。
誕生日を祝いながら、
これは彼女へのプレゼントだと思った。

これからラブサマちゃんがどんな軌跡をたどるかわからない。
けれど、周りに人が増えるほど、活動は自分の思い描くように進まなくなる。

大人になると、それを受け入れてしまう。
今よりもっと完成度の高いライブをして、より多くの人を楽しませるために。


20歳の彼女が彼女のために創った空間はあまりにも暖かく、その構成員になれたことは、二度とできない体験だった。
行ってよかったと心から思う。
誕生日おめでとう。

綿矢りさ「ひらいて」雑感

私、本を読みながら
グッときた頁を折るんです。

突然「あの本のあの台詞が読みたい!」となることがあるので、
折り目をつけておくと便利です。

そしてその折り目の数は、
当然「良かった」の指標となるのですが…

今回はf:id:sweet_pan:20150814194329j:image

こんな感じで。

もう最高だったんです。

「一番好きな人に好きになってもらえない」このもどかしさや悲しみの表現が、綿矢りさは完璧だから。
も〜主人公の暗い暗い独白部分をずっと読んでいたいです。
自分と重ね合わせて、昔の恋愛思い出してはエモい気分になって、そして、そんな自分に酔いたい。と思いました。


えー、さて、主人公の「愛」が恋する相手は高校のクラスメートです。
陰があって、つかめない彼のことをみんなは「地味なヤツ」としか思っていない。でも私は、私だけは彼のことをこんなにも欲している。理解している。
そんな主人公の増幅しきった独占欲が、失恋をきっかけに暴走するんですね。

《恋をして初めて気づいた。私はいままで水を混ぜて、味がわからなくなるくらい恋を薄めて、方々にふりまいていたんだ。いま恋は煮詰め凝縮され、彼にだけ向かっている》

《一生に一度の恋をして、そして失った時点で自分の稼働を終わりにしてしまいたい。二度と、他の人を、同じように愛したくなんかない。》
この小説は恋愛小説としても非常に優れているのは言うまでもないんですが、
意外と本質はそこにはなかったりします。

それがタイトルにもなっている「ひらいて」と関係していると思われます。

例えばこんな一文。

《私はまだ一度も彼を揺さぶっていない。敗北の悔しさに心に血がにじむ》

思うように相手の心を動かせないこと。もはや、好きになって欲しいを超えた願望。ただ彼の心をどうにか震わせたいという目的に変わってきています。

しかし物語の終盤、その願いが叶わなかった絶望感を主人公は覚えます。

《二人は私を、無視しても拒否してもいない。でもそれが余計に私と彼らの間の見えない壁を感じさせる。》

決して入り込めない隙間。
お互い「ひらいた」者達は、見えない何かで繋がって、他の者を寄せ付けない。

どんな人も承認欲求を持っています。
人によって差はあれど、自分のことを知って欲しい、見て欲しい、そんな気持ち。
でも主人公が求めたものはちがったのかもしれません。

《ささやかな繋がりを、いつもいつも求めている》

私達は繋がってないと不安になる。
だから色んな道具や名前や制度を使っては、誰かとつがいになりたがったり、なにかに所属したりする。

それでも満たされないことがある。
私達はもっと、たぶん
「ひらいて」欲しいんです。


おわり

余白こそが豊かさなのか

最近、柄物を着ている人って減った気がします(意図的に流行させられる柄物を除いて)。

これを読んでいるのが男性か女性かわかりませんが、最近買い物の時に柄物を買った記憶ってありますか?
それも、白黒のチェックとか、青と白のボーダーとかじゃなくてです。

街を歩いていても、柄物を着ている人って少ない気がする。気がする気がするってさっきから曖昧ですが、本当にそんな気がする!

その代わりといっちゃあなんですが、
白の無地Tにゆるめのジーンズ、
サングラスもその昔浜崎あゆみがしてたようなヤツじゃなくて…
シンプルな顔の輪郭に収まるサイズのものをして、CA4LA帽子をかぶって……

そんな人達が多いような。

なんの主張もないようで、彼女達はおそらくファッションにものすごくこだわりがある。
無地のTシャツは、「無地なのに!?」って値段のもののはずだし、
サングラスも、最も安い人でもzoff(クラシック)を買ってるはず。

何が言いたいかというと、
なんか「なんでもないようでちゃんとしてるもの」がオシャレになってるよね。って話。

その昔、UNIQLOが登場する前のこと、

無地でシンプルでオシャレなものを買うのは一部のファッションオタク達のたしなみだった(と思う)。
バブルの頃は言わずもがな、その後も引き続き余計な柄が入っていたり、いらぬ企業ロゴがプリントされている「頑張って装飾しました!」というものこそをオシャレだとしてきました。
「なんか遊びがきいてるもの」「わかりやすくこだわってる」が最大のオシャレでした。

重ね着風のロンTとか、ベルト通すところが2連になってるジーンズとかその最たる例だと思う。

とにかく足し算がオシャレだった時代があったんですよね。

それが昨今、白の無地Tに黒のスキニーを履いた男子のことを無意識的に「オシャレ」の箱へ投げるようになるなんて不思議です。


柄やロゴは、無にプラスという意味では「豊かさ」の象徴のはず。

作家の酒井順子さんも「戦後の貧しい時代に無地はあまりにも悲しすぎたので、余計な柄が入ったものが多い」と考察しています。

それがいつしか、奇抜な柄やロゴなどは「安っぽい」となり、無地でシンプルなものこそが「センスがあって豊か」なシンボルへと変化したのですね。。


話が広がりすぎました。
戻します。

つまり世は「なんでもないようで、実は………」戦国時代。
ふと手にしたシャツの値段に驚くことが増えたのもそのせいかな。

この「なんでもないようで、実は」も突き詰めすぎると、豊かさの押し売りになって、あ、もういいです。そこまでじゃないんで…となる。

ギリギリのラインで抜け感を出すのってこれまた難しいね。




ラブリーサマーちゃんの新譜について


 ラブリーサマーちゃんが大好きです。
彼女の代表曲「あなたは煙草 私はシャボン」についてはまたゆっくり書きたい。

今回はそんな彼女がつい先日iTunesで発売した「ベッドルームの夢」について。

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力強いドラムの音と透き通ったハミングが絡まって一気にラブサマワールドへワープ。
本楽曲はバンドアレンジされており、
全てのパートは彼女が打ち込んで仕上げたもの。
しかも誕生日リリースに間に合わせるため、かなりの突貫作業だったとか。

サウンドのことはよくわからない素人ですが、
この曲はドラムの音がとても心地いいですね。
疾走感のなかに切なさ、青春の甘酸っぱさを感じるそんな曲です。

わたしがラブリーサマーちゃんの曲で大好きなのはサウンドもさることながら、その歌詞。

「ベッドルームで君が口ずさむメロディ/あの子にも聴こえたらいいね」

「ベッドルームから始まるストーリー/シンデレラの役は譲るから」

勝手な解釈で恐縮ですが、
ラブサマちゃんの世界の女の子はいつも誰かのなかで1番にはなれない悲しさをもっていて、太陽と月でいったら月で、光というよりは陰で、こんな私だけど君が好きなんだよな〜。死にて〜。
って感じですかね。


「シンデレラの役は譲るから」

なんてリリックが書けてしまう感性にはかなわないなぁと思います。
このワンフレーズで楽曲全体の魅力がぐっと底上がってる。



あなたが好きな「あの子」は学園祭とかでシンデレラに推薦されちゃうような(しかもそれを自然と受け入れるような)、いつもキラキしてて、人気者で、私がどうもがいても敵わないところにいるんだ。

それに比べて私はベッドルームでメロディを口ずさむだけ。

君のあの子への気持ちなんて無謀だよ
お願い私の気持ちに気づいて
あ〜こんな切ないのもう沢山。
だけどやっぱり好きなんだよ。

こっち見てよ
あの子にシンデレラの役は譲るから


…………と、勝手な妄想繰り広げてますが
そう思いながら聴くと、楽曲の合間に入るハミングは必死に自転車を漕ぐ「私」の息継ぎに聞こえてくるんです。







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